ミセスグリーンアップルの『アポロドロス』に描かれた花の意味とは?
ジャケットのカーネーションや色彩に込められた大森元貴の想い。
神話や、花言葉の視点から徹底考察します。
『アポロドロス』という言葉の意味
「アポロドロス(Apollodorus)」とは、ギリシア神話を編集した人物の名前。
神々と人間の物語をまとめ、後世に残した人です。
そして「アポロドロス」は、古代ギリシア語の「贈り物」という意味もあります。
『アポロドロス』の原点は18歳の大森元貴
想像で描いた『オリンピック』
『アポロドロス』の始まりは、大森元貴が18歳の頃に描いたという、想像のオリンピック。
その時に付けたタイトルが『命の花』でした。
若き日の大森元貴が感じた「生きること」の尊さ。
そのテーマが10年の時を経て、『アポロドロス』という作品として花開いたのです。
10年後、夢が現実に
そして今、ミセスは2024年のパリオリンピックから2026年のミラノ・コルティナ冬季大会まで、テーマソングを任された。
まるで、18歳の想像『命の花』が現実となり、一本の花が時間を超えて咲き続けているように感じます。
二人の大森元貴がいる『アポロドロス』
『アポロドロス』は』3拍子と4拍子が交互に現れる、不思議なリズムの曲です。
大森元貴はそれを、「組曲のよう」と語っています。
私は『アポロドロス』に二人の大森元貴を感じます。
18歳の頃の大森元貴と、今、現在の大森元貴。
夢を追う少年と、現実を見つめる大人。
その二人がひとつの音楽の中で出会い、語りあっているような気がします。
『アポロドロス』は、時間を超えた自分との対話のような曲なのかもしれません。
ジャケットの「花」に込められた意味
造花と生花が語ること
「アポロドロス」のジャケットには、印象的な花が写っています。
よく見ると、それは造花の真ん中に生花のカーネーションがある特別な構成。
さらにその花は包帯のリボンで結ばれているのです。
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#アポロドロス
2024.07.03 WED
0AM (JST)🔺🟣 🔷🟢🟨🔸
#MrsGREENAPPLE pic.twitter.com/5J4uwPM0ue— Mrs. GREEN APPLE (@AORINGOHUZIN) July 2, 2024
この花は、まさに、アスリートの姿そのもの。
人工のようで、でも確かに生きている。
傷を抱えながらも、自分の力で美しく咲こうとしている。
一本だけ生きている花
ジャケットの中心に描かれている花束。
よく見ると、造花の中に一本だけ生花のピンクのカーネーションが混ざっている。
そして、その花束を包んでいるのは包帯のような白い布。
生花は命を持ち、やがて散る。
造花は命を持たないが、色あせない。
どちらが正しいというわけではなく、どちらも美しい。
アスリートの命は時間とともに燃え尽きる。
しかし、その努力と感動は永遠に残る。
生花と造花。
その対比は、一瞬と永遠の共演。
まさに、オリンピックにふさわしい象徴だ。
永遠と一瞬を結ぶ花束
この花束は、生花と造花、本物と偽物、美しさと傷、永遠と一瞬。
その相反する境界線を優しく包帯のリボンが結んでいる。
包帯は、傷を癒すもの。
だが同時に、それは、「戦いの証」でもある。
アスリートは傷つきながらも前へ進む。
限界の先に、美しさと儚さが同居する。
大森元貴は、その姿に、花の命を重ねたのだ。
カーネーションの花言葉
ピンクのカーネーションの花言葉は「感謝」や「愛情」。
古代では「神に捧げる花」ともよばれていました。
大森元貴が18歳の頃につけたタイトルが『命の花』。
それを思うと、この一本のカーネーションは、命への感謝そのものに思えます。
- ファンへの感謝。
- 仲間への感謝。
- 音楽への感謝。
- 限界へ挑戦し感動を与えてくれるアスリートへの感謝。
そのすべてが、この一輪の花に込められているのかのしれません。
花びらが示す色の意味
散っている花びらの色
『アポロドロス』のジャケットには、赤・黄・青の三原色の花びらが1枚ずつ散っています。
- 赤=血(情熱・命)
- 黄=光(優しさ・希望)
- 青=汗(静けさ・未来)
のように見えます。
Mrs.GREEN APPLEのメンバーカラー
そして偶然にも、Mrs.GREEN APPLEのメンバーカラーでもある。
- 赤=大森元貴(おおもり もとき・もっくん)
- 黄=藤澤涼架(ふじさわ りょうか・りょうちゃん)
- 青=若井滉斗(わかい ひろと・ひろぱ)
この三原色は、混ざり合うことですべての色を生み出します。
三人の個性が合わさって生まれる音楽のようだ。
『アポロドロス』には、世界に広がる希望を感じます。
3つの色がそろってこそ、音が完成する。
誰かひとり欠けても成り立たない「絆の色」。
散った花びらは「終わり」でなく、「新しいはじまり」。
彼らの音楽『アポロドロス』が、ひとりひとりの心に広がっていくようです。
つまり『アポロドロス』というタイトルは、
「命の物語を、音楽という贈り物として届ける」という思いを込めた名前かもしれません。
『アポロドロス』が伝えたいこと
『アポロドロス』それは、命を繋ぎ、希望を灯すための音楽の花束。
花の命は短い。だが、造花は枯れない。
生花がもつ一瞬の輝きと、造花がもつ永遠の象徴。
それらをひとつに束ねた『アポロドロス』のジャケットの写真。
それは、まるで「アスリートという存在」そのものだ。
人間の身体は限られた時間しかもたない。
しかし、その精神と努力は、永遠に語り継がれる。
また、包帯に結ばれた花が示すのは、痛みだけでなく感謝をも包み込む「繋がり」。
そして、二人の大森元貴とMrs.GREEN APPLEが奏でた、命のリズムと、時のリズム。
そのすべてを束ねたとき、ひとつの真実が浮かび上がる。
アポロドロス(大森元貴)が伝える
「命の花」は、終わらない。
まとめ
『アポロドロス』は、ただの音楽でなく命を描いたアートのような作品です。
造花の永遠。
生花の儚さ。
包帯の優しさ。
『アポロドロス』の音楽。ジャケット写真の花。
そのすべてが、「生きることの美しさ」を語っています。
日々の暮らしの中で、私たちも小さな花を咲かせながら生きている。
完璧でなくても、その花はきっと誰かの心を癒す贈り物になる。
ミセスの『アポロドロス』は、そんな希望をそっと教えてくれる曲のように感じます。
